12) 5F グローバルパーソンとエスニック料理。 2024年11月25日

福田復彦

グローバルパーソンが食べるエスニック料理は本物でしょうか?

最近外国では日本食ブームで日本人の料理人たちも渡航して、日本食レストランで働く機会も増えました。外国の中規模な都市で日本食の看板を見る機会がおおくなりました。レストランの入り口に寿司や天ぷら風の写真が掲載されたメニューが置いてあることもあります。全体的雰囲気がなんとなく中国風日本料理の印象を受けます。日本人のシェフはコストが高く雇えませんので、料理人の多くが中国人や韓国人、もしくは日本食レストランで修業したと称する現地人もいます。

大都市の中には日本食と称するレストランが100件以上あること珍しくありません。当然競争も激しく、差別化が始まります。純粋な日本食を提供するいわゆる高級店、日本人の駐在員なども利用する中クラスの店、日本にローカル性を少しミックスした中間店、完全にローカル化した店など様々です。当然各々客層が異なります。完全にローカル化した店では「これが日本食?」と首をひねるような料理も提供されますが、現地の人々の口に合うらしくかなり繁盛している店もあります。

同様な現象は日本でも見られます。昨今発展途上国からの外国人労働者の増加によって、その人たちを主たる顧客としたエスニック料理店が目立ちはじめました。また中には帰国せずに日本で郷土料理の店を開店する人もいます。日本人も好奇心で食べに行きこれが本場の料理かと納得してしまうこともありますが、ほとんどの料理が母国でその料理人が所属していた階級程度のもので、本物の味を知った日本人を満足させられないようです。今後これらエスニック料理が日本人の口に合うに変化するか見るのも楽しみです。

エスニック料理として派生的に変形してアメリカから逆輸入された日本料理の代表的なものがカリフォルニアロールです。これは 巻き寿司が具材をシャリで巻いて、外側に海苔を巻いているのに対して、ロール寿司はシャリと海苔の順番が逆で、海苔を内側にして、シャリを外側にして巻きます。中に入れる具は千差万別です。さらにこれに日本人が手を加え天むす風のカリフォルニアロールも作られており、日本で確たる地位を築いています。アメリカ人が職人親方(料理人?)で、日本的な寿司屋の雰囲気はなく、西洋式のおしゃれなバースタイルの雰囲気を醸し出したお店が多いようです。

ご参考:筆者は日本では上に書いたような理由でほとんどエスニックレストランにはいきません。お付き合いなどでやむを得ず行く場合もありますが、そこそこの料理ならば黙って食べます。ただ2回ほど突き返したことがあります。メニューと出された料理が全く異なった時でした。その時は本物の作り方をきちんと説明し、レストラン側に納得させました。

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